綾部市中央公民館

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中丹文化会館2024年[春・夏号]チラシ

第37回中丹文化芸術祭
中丹写真展入賞作品

審査員 竹下光士(写真家)総評

今年から中丹写真展の審査員を担当することになりました竹下です。これから3年間、どうぞよろしくお願いします。初回の審査を終えた感想としては、地元である中丹を中心に、近隣の風景や歳時、イベントを丁寧に撮られた写真が多数並んでおり、地に足がついているなと感じました。ジャンルも多岐に渡り、そのハイレベルな内容に審査をする者としてはとても難しい判断を迫られましたが、審査後受賞作を並べると、単に「美しい」「整っている」だけではなく、物語性があるものを選んでいたことがわかります。物語があると見る者をその中に引き込む力となります。中丹は自然が豊かで、独特の文化が育まれてきた土地です。遠征するのも楽しいですが、この恵まれた立地である地元をしっかりと撮り切ることで、他にはない物語が生まれるのではないかと思います。そのような写真にまた来年も出会えることを楽しみにしています。

一般部門

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知事賞

写真 知事賞「禊」岡本晃一(綾部市)

「禊」岡本晃一(綾部市)

氷柱が禊の情景を額縁のように取り囲んでいる構図が見事。水の冷たさと同時に、厳冬期の滝の美しさを感じます。また禊をしているのが山伏的な慣れた人ではなく、線の細い若者というのも場面の背景を探るおもしろさに繋がります。

「禊」岡本晃一(綾部市)

写真 知事賞「禊」岡本晃一(綾部市)

実行委員長賞

写真 実行委員長賞「どろんこタイム」四方敬一(綾部市)

「どろんこタイム」四方敬一(綾部市)

同じイベントを撮ったと思われる写真が何点か出品されていました。競技の最中の必死な表情も魅力的ですが、これはすべてが終わって「出し切った~」と倒れ込む瞬間のように見えます。笑顔と跳ねる泥の躍動感が一体となって、見るこちらも楽しい気分にさせてくれます。

「どろんこタイム」四方敬一(綾部市)

写真 実行委員長賞「どろんこタイム」四方敬一(綾部市)
写真 実行委員長賞「花の太陽」松本敏信(福知山市)

「花の太陽」松本敏信(福知山市)

ひまわりを「ひまわり」と思って見ていると、このような撮り方の発想は生まれません。固定観念を取り払って対象を見る時、思わぬ魅力を見つけることがあります。この写真はそのようにして生まれたのだと思います。

「花の太陽」松本敏信(福知山市)

写真 実行委員長賞「花の太陽」松本敏信(福知山市)
写真 実行委員長賞「春の舞」村上正美(綾部市)

「春の舞」村上正美(綾部市)

池の鯉を撮ったものです。シャッターを長く開ける「スローシャッター」の技法を使うことで、泳ぐ鯉の動きがブレとなって写っています。写真なのに、動画を見るような動きを感じる不思議な作品です。

「春の舞」村上正美(綾部市)

写真 実行委員長賞「春の舞」村上正美(綾部市)

奨励賞

写真 奨励賞「廃船」河田長友(舞鶴市)

「廃船」河田長友(舞鶴市)

風景の一部を切り取ったことで説明的要素が削がれ、不思議な質感を持つ物体と青の色彩だけが目に入ります。一見すると何を撮ったのかがわからず、美しい抽象絵画を見ているようで惹かれます。絶妙な切り取りの上手さに「あっぱれ!」です。

「廃船」河田長友(舞鶴市)

写真 奨励賞「廃船」河田長友(舞鶴市)
写真 奨励賞「時の流れ」木﨑誠(福知山市)

「時の流れ」木﨑誠(福知山市)

写真の中に文字を入れる場合、それを読んでしまうことで目線が止まるので、なるべく目立たないように対処するのが定石です。ただこの写真の場合は、古びた看板にかつての繁栄が想起されるので、店名を読ませることが効果となっています。

「時の流れ」木﨑誠(福知山市)

写真 奨励賞「時の流れ」木﨑誠(福知山市)
写真 奨励賞「狸とアナグマが鹿を」四方國裕(綾部市)

「狸とアナグマが鹿を」四方國裕(綾部市)

センセーショナルなシーンですが、自然の生から死へのサイクルとしては当たり前にあるべきシーンです。ただこのシーンを発表するということはそれなりに覚悟が必要です。その勇気を評価しました。これだけで終わらずその延長で撮り続けて欲しいです。

「狸とアナグマが鹿を」四方國裕(綾部市)

写真 奨励賞「狸とアナグマが鹿を」四方國裕(綾部市)
写真 奨励賞「宇宙」四方純子(綾部市)

「宇宙」四方純子(綾部市)

氷に閉じ込められた気泡だと思います。大きな気泡のテクスチャは寒冷な惑星を想起させ、細かい泡は漆黒の宇宙にきらめく無数の星を見るようです。現象を「宇宙」に見立てたことで世界観が広がりました。

「宇宙」四方純子(綾部市)

写真 奨励賞「宇宙」四方純子(綾部市)
写真 奨励賞「海の叫び」四方卓治(綾部市)

「海の叫び」四方卓治(綾部市)

漁港での水揚げのシーンだと思いますが、わずかにスローシャッターで撮ることで網から落ちる魚の動きがブレとなって写っています。それに対して同心円状に横たわる魚の質感がとても美しく印象的です。

「海の叫び」四方卓治(綾部市)

写真 奨励賞「海の叫び」四方卓治(綾部市)
写真 奨励賞「出番前」白木勇治(福知山市)

「出番前」白木勇治(福知山市)

広角レンズを使って俯瞰気味に撮られた構図により、舞台袖で出番を待つ女の子の緊張感がヒシヒシと伝わってきます。演じている女の子の「動」と袖の「静」を対比させたところも見事です。

「出番前」白木勇治(福知山市)

写真 奨励賞「出番前」白木勇治(福知山市)
写真 奨励賞「只今より得点発表」内藤雅偉(舞鶴市)

「只今より得点発表」内藤雅偉(舞鶴市)

もしあれば「タイトル賞」を差し上げたい作品。応援団長を務めた男子の祈るような表情が、タイトルと合わせて見ることでさらに増して伝わってきます。狙いがハッキリしている時には、よいタイトルがすんなり思い浮かびます。

「只今より得点発表」内藤雅偉(舞鶴市)

写真 奨励賞「只今より得点発表」内藤雅偉(舞鶴市)
写真 奨励賞「風波の描画」横田市郎(福知山市)

「風波の描画」横田市郎(福知山市)

目で見た被写体は、揺れる水面と睡蓮の葉があるだけで、ごくごく平凡な風景だと思います。「こう写る」ということを知っていなければカメラを向けることもないでしょう。これが経験値です。見過ごしそうな所にもこれほどの美があることを教えてくれる作品です。

「風波の描画」横田市郎(福知山市)

写真 奨励賞「風波の描画」横田市郎(福知山市)

初心者部門

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奨励賞

写真 奨励賞「あの頃」伊野実規(舞鶴市)

「あの頃」伊野実規(舞鶴市)

「あの頃」というタイトルに惹かれました。作者の本意ではないかもしれませんが、遠くを見るぬいぐるみの仕草や夏空の濃い青がそれぞれの夏を思い出させてくれるようです。

「あの頃」伊野実規(舞鶴市)

写真 奨励賞「あの頃」伊野実規(舞鶴市)
写真 奨励賞「涼し」岩間千和(舞鶴市)

「涼し」岩間千和(舞鶴市)

遠くに出かけて誰もが憧れる絶景を撮るのも楽しいですが、自分の日常をカメラを通して眺めるのも写真ならではのおもしろさのひとつです。涼風がカーテンのレースを持ち上げた瞬間、それを透かして見る夏空の青が、風の心地よさを感じさせてくれます。

「涼し」岩間千和(舞鶴市)

写真 奨励賞「涼し」岩間千和(舞鶴市)
写真 知事賞「家路」安原伸次(舞鶴市)

「家路」安原伸次(舞鶴市)

夕映えの光の中を走る電車がとても印象的です。ただ「家路」というタイトルが写真の内容と合わない気がします。乗客が家路に向かうという意味なのかと思いますが、主役は電車なのでそれに対する言葉を選ぶ方がすっきりとします。タイトルはとても重要です。

「家路」安原伸次(舞鶴市)

写真 知事賞「家路」安原伸次(舞鶴市)

中丹写真展委嘱作家

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写真 「雪陵に佇む」安達秀敏

「雪陵に佇む」安達秀敏

「雪陵に佇む」安達秀敏

写真 「雪陵に佇む」安達秀敏
写真 「吸蜜」大地洋次郎

「吸蜜」大地洋次郎

「吸蜜」大地洋次郎

写真 「吸蜜」大地洋次郎
写真 「海霧を渡る」和久秀輝

「海霧を渡る」和久秀輝

「海霧を渡る」和久秀輝

写真 「海霧を渡る」和久秀輝

審査員

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写真 「誕生から約175万年の槍ヶ岳から星空を眺める」竹下光士

「誕生から約175万年の槍ヶ岳から星空を眺める」竹下光士

「誕生から約175万年の槍ヶ岳から星空を眺める」竹下光士

写真 「誕生から約175万年の槍ヶ岳から星空を眺める」竹下光士