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第36回中丹文化芸術祭
写真展入賞作品
一般部門
※写真をクリックすると拡大します。
知事賞
実行委員長賞
「小さな漁港のにおい」森治孝雄(福知山市)
一つの写真だとわかりにくいですが、4枚を眺めると「小さな漁港のにおい」が伝わってきます。いわゆる港風景ではなく作者の感じる匂い。道具などから感じる漁港の営みが垣間見えるようです。独特の視点で匂いを抽出するようで面白い作品になりました。おめでとうございました。
奨励賞
「雀の教室」四方國裕(綾部市)
なんだかほっこりとする作品ですね。何となく集団で飛んでいたりするのは目にしますが、このように静止した状態で、そしてバランスよく並ぶ様子に反応する観察眼は大切です。そしてタイミングよく撮りきることは案外難しいものですが良いシャッターチャンスでした。
「赤い糸の島」岡本晃一(綾部市)
目の前の紅い世界にすい込まれてしまいそうです。その場にいたら、ただただ佇むしかないのではと思ってしまう位です。シャッター速度を遅くして見せた水面は空の雲と相まって、幻想的な作品に仕上がりました。
「スポットライト」平井敏通(綾部市)
小さな世界を、まるで自分が小さくなって眺めていると思うくらい臨場感に溢れています。 低いアングル、レンズの焦点距離の選び方、葉の大きさのバランス、配置、そしてそれらを照らし出す光。緻密に計算され完成した作品だと思いました。
「森に輝く宝石」山口健治(綾部市)
蛍の光は種類によって流れたりしますが、「輝く」というイメージなので丸い点の方がイメージ通りですね。長秒露光や多重露光で数量をコントロールし窮屈すぎず、空きすぎずというのが良かったです。カメラ近くを横切るように光をとりこめれば変化がでて更に良くなるでしょう。
「オーイ こっちだよ おいで」植村誠(福知山市)
小さな蜘蛛が綺麗な色合いのボケを背景に浮かび上がる様子は、小さな世界が華やかに浮かび上がり何倍も強く光り輝きました。被写体と背景の距離感、カメラから被写体までの距離を考えながら効果的に撮影された作品です。
「新しい世界」西田眞弘(福知山市)
このようになるまでは、かなり試行錯誤されたのではないでしょうか。光を考え、偏光フィルターや偏光板などを使いよい角度を探すなど技術的な面、そしてその時々の状況でかわる氷?の模様。色んな要素をクリアして「新しい世界」が出来上がったと思います
「大切なワクチン」土佐征英(福知山市)
2020年より現在に至るまで、医療従事者の方々には感謝しかありません。この作品を見て更にその気持ちが湧いてきます。真剣な眼差しから溢れる力強さ、ワクチンを扱う手元の優しさが伝わる作品。ボケを上手く使い、強調した構図も良かったです。
「竹林降雪」森本高夫(福知山市)
暗い背景に浮かび上がる竹林は水墨画のようで、音のない世界が広がります。またしんしんと降る雪は更に静けさをもたらし、深みのある作品になりました。竹の枝葉や雪のきめ細かさを表現したことも、画面に締まりが出るので大きなポイントでした。
審査員 椎﨑義之(写真家)総評
今年こそはと、大勢の方が見守る中、僕にとっては、初めての公開審査となりました。
参加して頂いた皆さんと実際にお会いし、お互い写真の話ができることは、このご時世何にも変え難いものだと改めて感じました。
審査は力作ばかり、難航しました。どういうことを表現したいのか、訴えたいのかを紐解くように作品と向き合います。
光を読みながら上手く捉えているものや、独自の感性で表現されているものなどが選ばれました。
応募作品は非常にに完成度が高くて甲乙付けがたく、そこでは少しの拘りが大きな結果の違いとなってきます。
作品のどういうところが良くて(伝わって)どこが足りない(伝わらない)か。
被写体の良さを見極めれているか(散漫になっていないか)、自分の伝えたい事を自分で認識できているか。
撮影技術だけでなく、誰もが良いと思うだろうでなく、自分が本当に何を表現したいかを改めて、時に考え、再認識する事が停滞ではなく前進するきっかけになると思います。僕は今年で審査は終了となりますが来年からは、新しい審査員が新しい目で皆さんの作品を見ます。中丹写真展がより盛会に、皆さんの写真撮影がより実りあるように祈ってます。 3年間本当にありがとうございました。