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第38回中丹文化芸術祭
中丹写真展入賞作品
一般部門
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知事賞
実行委員長賞
「ちゃぽん♪」塩見博之(綾部市)
水に映る反映を撮った写真はよく目にしますが、この写真からは定番的な美しさ以上のものを感じます。黒地に円形の反映とそれに重なる波紋の対比が見事です。飛び上がった水滴の位置、ピントも完璧で、小さな風景ですが、とても壮大な世界を感じます。
奨励賞
「氷貼図」四方純子(綾部市)
見た目だけでは、ブロック塀に氷が貼りついているだけで、誰も気にも留めないと思います。これを写真で撮ることで、実は美しかったのだということに多くの人が気付きます。このような「美しい」物を皆さんでもっともっと探していきましょう。
「傑作を撮る」土佐征英(福知山市)
夜景を狙って展望台に上がられたのだと思いますが、雨上がりなのか、生憎の霧でよく見えていません。普通に撮ったのでは作品にするのは難しいと判断されて、手前にそれを撮る観光客を入れたのだと思います。それが功を奏して、観光客の歓喜が伝わるようなスナップになりました。
「よっしゃー!」中山茂樹(綾部市)
1位の男子の表情は、タイトル通り「よっしゃー!」でよいと思います。でも意外とこの写真の見せ場は2位と3位の子の表情にもあります。思春期らしい、負けて少し照れ笑いしているような表情が魅力的です。
「水温む初夏」はたの与彦(舞鶴市)
望遠レンズの圧縮効果を使って、池の様子を平面的に切り取った写真です。咲く花など、何か主役になるものをあえて写さないことで、タイトル通り、季節の狭間の気配や光が画面全体からやんわりと伝わってきます。
「時空の旅へ」藤原泰男(舞鶴市)
作者の意図とは違うかもしれませんが、私がおもしろいと感じたのは、平安装束を着た人々の後ろに写っているのがすべて外国の人ということです。不思議なシチュエーションです。タイトルにもそのあたりのことが反映されると、作品が語る要素がもっと膨らむように思います。
「水玉の中で」堀島信之(福知山市)
雨上がりなのでしょうか、水滴とアマガエルの質感が見事です。水滴を撮ったからと言って、瑞々しさが出せるかと言ったらそうでもなく、これはピント位置や質感描写の賜物だと思います。圧倒的な技術力があってこその表現だと言えます。
初心者部門
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審査員 竹下光士(写真家)総評
昨年に引き続き2年目の審査を担当させていただきました。どの写真も「この光景をファインダーで見たら興奮するだろうなあ」と感じる素晴らしいものばかりでした(お世辞ではなく本当です)。喜々として撮影されている姿が思い浮かぶようでした。そういった秀作ぞろいの中から賞を選ぶというのはたいへん難しいことなのですが、審査にあたって重視したのが、写真のなかの「物語性」です(これは前年の総評でも書いています)。「美しい」「整っている」ことは重要ですが、それよりも主題の後ろに、撮った人の気持ちが読める写真に惹かれました。ただしこれはそうそう狙って撮れるものではなく、偶然もあるでしょうし、撮った写真を見返した時に気付くこともあります。自作を選ぶ時に、カメラマン目線ではなく、鑑賞者目線で見ることをお薦めします。「ダメ」と否定的に思っていたことがおもしろく見えたり、気付かずに埋もれていた作品に出合うことが多々あります。試してみて下さい。