第38回中丹文化芸術祭
「短歌・俳句・川柳公募2024」入賞作品

• 短歌部門
• 俳句部門
• 川柳部門
• ヤング
  短歌部門
• ヤング
  俳句部門
• ヤング
  川柳部門

短歌部門

• 知事賞

  筋力はまぶたにわずか残るのみ文字盤はさみ病夫つまと語らう

  舞鶴市　鯵本 ミツ子

  実行委員長賞

  座布団のカバー剥がせば三代の嫁それぞれの柄いとほしき

  綾部市　福井 今日子

• 優秀賞

  ガザの子に大人になれば何になる問へば大人になれず死ぬると

  福知山市　押栃 廐

  土手覆ふ葛の葉一枚手に載せてポンと鳴らせば遥か夏の日

  綾部市　松本 暁

  高跳びのバーを少しづつ上げるごとトマトは支柱を背面に越ゆ

  綾部市　河北 幸代

  引っ越しのがらんと空きし部屋べやのほこりひとつも我との暮し

  舞鶴市　前田 和子

  スギ・ヒノキ亡父の植林せし山を老いゆくほどに兄は悩める

  綾部市　林 孝子

• 秀作

  ひと声を啼きて飛び立つ青鷺のたちまち夏の朝焼けの空

  綾部市　大島 美佐子

  ポール持ち青田の続く道を行くはや穂孕みてアキアカネ飛ぶ

  綾部市　四方 弘子

  右側に綾部大橋過ぎたころ棚の土産を降ろし始める

  綾部市　前田 拓己

  七夕の笹の葉担ぐ園長は未来の子等の夢かついでる

  福知山市　牧田 美代子

  雨降ると漆は乾くと匠言ふ能登の器に寡黙な技つむ

  綾部市　北川 勝行

• 入選

  産湯より顔の大きな赤子受く泣けば金時大明神ぞ

  福知山市　押栃 廐

  村墓の六体地蔵に日は差してミニひまわりの傍らに咲く

  綾部市　村上 とみ子

  おぼろなれど五歳の記憶よみがえる空襲警報鳴る映像に

  綾部市　近江 瑞子

  照り付ける日は四ツ尾山に沈みゆきハイビスカスのひとつ花落つ

  綾部市　川村 桂子

  痛むかと問えばわずかに頷く母の冷えたる腕をゆっくり撫でる

  綾部市　富本 澄子

  熊出るとお知らせメールに怯えつつ千歩の歩数に今朝も挑戦

  綾部市　塩見 あや子

• 選者特選賞「一」

  井田 眞理子　選

  座布団のカバー剥がせば三代の嫁それぞれの柄いとほしき

  福井 今日子

  塩見 正仁　選

  筋力はまぶたにわずか残るのみ文字盤はさみ病夫つまと語らう

  鯵本 ミツ子

  四方 照代　選

  座布団のカバー剥がせば三代の嫁それぞれの柄いとほしき

  福井 今日子

• 選者特選賞「二」

  須原 京子　選

  高跳びのバーを少しづつ上げるごとトマトは支柱を背面に越ゆ

  河北 幸代

  玉川 滋子　選

  ガザの子に大人になれば何になる問へば大人になれず死ぬると

  押栃 廐

  早川 禮子　選

  生きてゐる友のメールに生きてるよ一人居の吾れを気づかひくれり

  塩見 あや子

• 選者特選賞「三」

  藤田 流美子　選

  産湯より顔の大きな赤子受く泣けば金時大明神ぞ

  押栃 厩

  松下 二三夫　選

  土手覆ふ葛の葉一枚手に載せてポンと鳴らせば遥か夏の日

  松本 暁

  作品集八ページの短歌部門の吉見謙治推進委員詠は、事務局の掲載間違いのため削除します

  お詫びして訂正いたします

俳句部門

• 知事賞

  父の背を知らずに老いて敗戦忌

  福知山市　芦田 三千代

  実行委員長賞

  震災の避難所に居て更衣

  福知山市　塩見 八重子

• 優秀賞

  夜濯や今日の務めの締めとする

  綾部市　上柿 みほ

  過去形の話ばかりや土用餅

  福知山市　吉本 加代子

  つちふるや我が心にもつちふりぬ

  福知山市　金田 道代

  残照に吸ひ込まれゆく赤蜻蛉

  綾部市　藤 聖子

  母の日よ娘らの味付け我に似て

  福知山市　五屋 美智子

• 秀作「一」

  草餅の餡のはみ出る母の愛

  福知山市　水巻 令子

  月光に翳しつ明日の鎌を研ぐ

  福知山市　有本 六

  万緑や郷土郷土に富士の山

  舞鶴市　瀬野 尚志

  蓬餅不出来も遺影笑ひをり

  綾部市　村上 美知子

• 秀作「二」

  逢ひたいの一筆加え梅雨晴間

  舞鶴市　オオミズナギドリ

  枇杷熟るる筆圧強く師の色紙

  舞鶴市　松本 実千枝

  眼帯を外すや眩し窓若葉

  舞鶴市　塩尻 きぬ

• 入選「一」

  後継者田植機軽く操りて

  福知山市　大江 弥生

  風鈴の迎えてくれる我が家かな

  綾部市　村上 國枝

  真っ直ぐに光る農道朝の霜

  綾部市　四方 禎治

  年ごとに歩幅狭まる山登り

  綾部市　塩尻 善英

• 入選「二」

  落椿小舟となりて杜の池

  舞鶴市　熊谷 節子

  子育てを話す三代盆の昼

  舞鶴市　松本 実千枝

  村の中一人のための子供の日

  福知山市　的場 正徹

  七夕竹天辺に揺る子の願い

  福知山市　前﨑 とし江

• 選者特選賞「一」

  芦田 伊津子　選

  つちふるや我が心にもつちふりぬ

  金田 道代

  安達 あき子　選

  挨拶は宝の言葉風薫る

  瀬野 尚志

  大瀧 和子　選

  父の背を知らずに老いて敗戦忌

  芦田 三千代

• 選者特選賞「二」

  大槻 祐二　選

  後継者田植機軽く操りて

  大江 弥生

  小竹 且正　選

  風鈴の迎えてくれる我が家かな

  村上 國枝

  四方 由紀子　選

  残照に吸ひ込まれゆく赤蜻蛉

  藤 聖子

• 選者特選賞「三」

  杉森 大介　選

  眼帯を外すや眩し窓若葉

  塩尻 きぬ

  詫間 えりこ　選

  震災の避難所に居て更衣

  塩見 八重子

  仲 まゆみ　選

  蓬餅不出来も遺影笑ひをり

  村上 美知子

• 選者特選賞「四」

  廣瀬 裕千　選

  夜濯や今日の務めの締めとする

  上柿 みほ

  福井 久生　選

  枇杷熟るる筆圧強く師の色紙

  松本 実千枝

  山下 朝香　選

  万緑や郷土郷土に富士の山

  瀬野 尚志

川柳部門

• 知事賞

  亡き母を語れば丸い詩になる

  福知山市　秋山 惠美子

  実行委員長賞

  意志を持ちはじめた釘が曲がり出す

  福知山市　山口 栄子

• 優秀賞

  いい人に逢って秒針早くなる

  福知山市　押栃 廐

  夕凪に今日の命をそっと置く

  福知山市　荒田 直

  ちぎれ雲あの子この子が気に掛かる

  福知山市　小橋 美絵

  人の手は優しく人を包みこむ

  綾部市　寒河江 明美

  ゆっくりと回れ傘寿の観覧車

  福知山市　小林 正登

• 秀作

  精一杯咲いて描いた今日の地図

  福知山市　足立 和子

  少しずつ歪んで軋む四季の貌

  福知山市　石坪 徹郎

  世を渡る律儀さ一つ楯にして

  福知山市　細見 明良

  人に添い求める幸を編み直す

  福知山市　藤田 富子

• 入選

  そういえばきょうはあいつの誕生日

  舞鶴市　藤井 康徳

  さんざめく一日命の補充する

  福知山市　北山 和美

  汗と泥浸みた作業着捨て難く

  綾部市　塩見　美代子

  ＱＲコードの中の底力

  福知山市　佐藤 新子

  良き友が私に力くれている

  福知山市　大槻　智津代

• 選者特選賞「一」

  大槻 美代子　選

  ゆっくりと回れ傘寿の観覧車

  小林 正登

  亀井 明　選

  亡き母を語れば丸い詩になる

  秋山 惠美子

  木戸 利枝　選

  いい人に逢って秒針早くなる

  押栃 廐

• 選者特選賞「二」

  田辺 洋子　選

  人の手は優しく人を包みこむ

  寒河江 明美

  永峯 八重　選

  意志を持ちはじめた釘が曲がり出す

  山口 栄子

ヤング短歌部門

• 特選

  まただめだ上手くいかない毎日と今日も湯舟の底へと沈む

  舞鶴市　吉田 璃子

  汗だくで冬が恋しい帰り道入道雲を冷やして食らう

  福知山市　竹内 椿

• 佳作

  成人を迎えし我を見る母はミルクレープに思いを馳せる

  福知山市　波多野 明里

  木漏れ日が草木を照らす祖母の庭今は見られぬあのアンネバラ

  福知山市　山添 愛莉

  寝坊して徹夜して食う塩むすびかすかに残る母のぬくもり

  福知山市　有田 七海

  図書館で見つめてしまう窓の外葉っぱに溶ける紺色の雨

  福知山市　婦木 海翔

• 入選

  テスト期間勉強しようそのはずがスマホ触る手終わらぬ課題

  福知山市　西田 翔子

  列車内同時に言ったきれいだね笑顔と赤青混ざる夕ぐれ

  福知山市　宮下 廣佳

  久しぶり出会って交わすこの言葉みんなに会って疲れ吹っ飛ぶ

  福知山市　田家 楓

  やれ海だ祭りだという青春に染まり切れずに見上ぐ青空

  舞鶴市　吉田 璃子

  夕焼けに染まるあなたと僕の影このままずっと続けばいいのに

  福知山市　柳瀬 陸翔

ヤング俳句部門

• 特選

  長閑さや群れの外れた蟻一つ

  福知山市　斎藤 美桜

  蝌蚪の水こどもが取り合うすべり台

  福知山市　垣谷 正泰

  イヤホンに鳴る電子音花アザミ

  福知山市　山田 萌

• 佳作

  のどかなりジョーカ匿う５分間

  福知山市　井上 陵生

  雨の音小さな池に虹が出た

  福知山市　櫻井 南那

  春風や音を届ける郵便屋

  福知山市　藤本 光音

  薫風に背中押される坂の道

  福知山市　森 七海

  玉虫や欠けた姿のりんご飴

  福知山市　横谷 悠月

• 入選「一」

  春の雲風船ガムの割れた音

  福知山市　井上 陵生

  夏祭り屋台がてらす君の顔

  福知山市　中本 鈴葉

  正念場せみの音黙すファンファーレ

  福知山市　横田 昊之介

  炎天下ボールと共に悲鳴あげ

  福知山市　小林 海翔

  紫陽花や水も滴る蜘蛛の糸

  福知山市　橋本 塁

• 入選「二」

  雨降るや酸っぱい恋とライラック

  福知山市　森岡 蓮晟

  夏椿いびつに落ちた目玉焼き

  福知山市　高橋 穂

  約束の魔法教えて花薊

  福知山市　水谷 寛太

  おにぎりの余熱のどかに生きている

  福知山市　水谷 寛太

  さざ波の五線譜に蝌蚪泳ぎけり

  福知山市　神田 恭志

• 入選「三」

  いつ落つる線香花火の余命かな

  福知山市　垣谷 正泰

  のどけしや秒針の音止まりける

  福知山市　西山 史晃

  金色の狐が渡る秋の道

  舞鶴市　坂根 莉音

  僕たちは虹のふもとを目指してた

  福知山市　岡林 来武

  ゆうぐれにビー玉目当てにのむラムネ

  福知山市　國時 寿斗

• 入選「四」

  よるのみちはながひらいたはなびたち

  福知山市　松浦 なぎ

  アイスティー片手に持って黄昏れる

  福知山市　衣川 悠那

  ハンモック風に揺られて夜空見る

  福知山市　井爪 結椛

  鳴きやんだもう死んだのかアブラゼミ

  福知山市　渋沢 進一朗

  紫陽花の咲けば遠くの友思う

  福知山市　島﨑 龍牙

• 入選「五」

  染めていく行き交う人を夜店の灯

  福知山市　西田 美優

  炎天下電柱の上鳴くカラス

  福知山市　水垣 俐希

  熱帯夜空き缶だらけ俺の部屋

  福知山市　山本 楽生

  外見れば朝日に輝く青田かな

  福知山市　越後 勇佐

ヤング川柳部門

• 特選

  ねばり強く つぶやく我と受験票

  福知山市　波多野 明里

  青空に青春色の炭酸水

  福知山市　滝森 啓人

• 佳作

  すれ違う人混みの中探す友

  福知山市　片山 聖羅

  ヨギボーに魂抜かれ動けない

  福知山市　大戸 悠生

  ノートには踊るミミズがごろっぴき

  福知山市　村上 凛子

  心病み見れなくなった　ツイッター

  福知山市　石渡 慶

  先入観人の見方をゆがめてく

  福知山市　掃部 理子

• 入選「一」

  部活後のカツはぜっぴん家の味

  福知山市　𠮷永 芽生

  さびしいな駅のホームで一人きり

  福知山市　古屋 銀次郎

  部活動夢と白球追いかける

  福知山市　藤原 星那

  とびちるや胸いっぱいの青の音

  福知山市　谷垣 心音

  大あくび常にねむたい月曜日

  福知山市　牧 美桜華

• 入選「二」

  太陽のしたでかがやくサッカー部

  福知山市　桑原 琉羽

  風の音眠気と戦う五十分

  福知山市　西部 宥成

  大丈夫明日やるから大丈夫

  福知山市　姫野 篤史

  体育祭まず探すのはあの名前

  福知山市　添田 恵信

  お弁当ママの気持ちがつまってる

  福知山市　千坂 明里